東京科学大学(旧東京工業大学)の大学院入試に挑む皆さんへ!特に機械工学専攻を目指している方にとって、効果的な教科書選びは合格への大きな一歩です。本記事では、過去の試験傾向を踏まえたおすすめの参考書を厳選して紹介します。基礎力を固めるための定番から、応用力を伸ばすための発展的な内容まで、効率よく学習を進められる教科書を集めました。
実際に私も2024年8月の大学院入試に外部受験で合格した際に、これらの教科書をメインに使っていました。自分に合った参考書を見つけ、万全の準備で入試に臨みましょう!
機械系筆記試験の試験科目は?
東工大の機械系(東京科学大学の理工学系工学院機械系)の入試科目は2024年時点では「機械四力」といわれる「材料力学」「機械力学」「熱力学」「流体力学」の4科目になります。
過去には数学や他の科目もありましたが今では四力のみとなりました。機械系大学院の中では科目数は少なめで、良心的な試験内容となっています。
大学院入試は科目が多ければ多いほど対策時間も必要になってくるので、4科目だけであれば外部から受験する方も比較的安心して受験、準備ができます。
他の系や学部に関しては大学HPの募集要項を確認していただけるとすぐに試験科目が分かると思います。
筆記試験対策の手順
この記事は東京科学大学(旧東京工業大学)の「工学院機械系」大学院(修士課程前期)の筆記試験(B日程)を受験される方に向けて書いています。
大学院入試で最も合否を分けるのが筆記試験です。対策の流れをしっかり押さえて、合格にグッと近づきましょう!
ここでは対策の流れを簡単に紹介しますが、より詳細に対策を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!
それでは早速、筆記試験対策の流れを説明します。
筆記試験の対策は大きく分けて以下の4ステップです。
- 過去問から出題傾向の把握
- 基礎固め
- 問題演習
- 過去問演習
今回は、
「基礎固め」「問題演習」「過去問演習」の段階ごとに、おすすめの参考書・問題集を紹介していきます。
おすすめの参考書・問題集【特選】
それでは本題です。筆記試験対策の段階ごとにおすすめの参考書や問題集をご紹介します。
これから大学院入試を控えた方はぜひ参考にしてください!
基礎固め
試験範囲全体的に、基礎知識を付けます。まずは学部時代に使っていた教科書で復習するのが良いです。移動時間や隙間時間にYouTubeなどで勉強するのもおすすめします。この時点では完成度はそこまで気にしなくていいです。概念を理解しましょう。
また、機械力学や熱力学は特に知識問題が多く出題される傾向にあり、東工大で実際に使われるJSMEシリーズのテキストもおすすめです。
一例として、私が使っていた教科書や一般的に良いとされている教科書をいくつか挙げます。
材料力学
〇材料力学 (機械工学基礎課程) [中井 善一] /朝倉書店
有名な方ではないかもしれませんが、私が学部生時代に授業で使っていた教科書です。材料力学の基礎的な部分をかなり網羅的にまとめてあります。東工大の大学院入試の範囲は問題なくカバーされています。
私はこの参考書とYouTubeなどのみで勉強していました。
〇材料力学 (機械系コアテキストシリーズ) [渋谷 陽二, 中谷 彰宏] /コロナ社
これも授業などでよく使われる教科書です。問題も交えて網羅的にまとめてあります。変形と強度の概念や評価法を修得できるだけでなく、固体力学や材料科学の先端的諸問題への糸口も見出すことができる1冊です。
機械力学
〇振動学 JSMEテキストシリーズ/日本機械学会
東工大機械系の大学院入試では、知識系の問題もいくつか出題されます。そのため、実際に東工大の授業でも使われるJSMEシリーズで基礎固めをするのがおすすめです。
ややサイズが大きく持ち運びにくいのは難点ですが💦。
〇振動工学 基礎編 [安田仁彦]/コロナ社
振動工学の基礎的な考え方や理論がまとめてある参考書です。
上のJSMEシリーズで十分ですが、もし不安があるようでしたら使ってみてもいいかもしれません。
私は大学の授業で使っていたのでそのまま参考にしました。
熱力学
〇熱力学 JSMEテキストシリーズ/日本機械学会
熱力学も知識問題が多く出題されるため、実際に東工大の授業で使われているJSMEシリーズで勉強するのがおすすめです。特に、ガスサイクル・蒸気サイクルの分野などは詳しく分かりやすくまとめてあるのでこのテキストのその分野を切り取って持ち運んで隙間時間に暗記していました。
〇熱力学 (機械工学基礎課程)[松村幸彦, 遠藤 琢磨]/朝倉書店
私が学部時代に使用していた教科書です。これも漏れなく被りなく網羅的にまとめてあります。
JSMEとプラスでほしい方はぜひご検討ください。
〇マセマ 熱力学[馬場 敬之]
解説と例題が充実しており、分かりやすくまとめてあります。熱力学に苦手意識がある人や、もう授業の内容を忘れてしまった人などにもおすすめです。
流体力学
〇流体力学: シンプルにすれば「流れ」がわかる[築地徹浩]/実教出版
流体力学はあまり評判のいい教科書が多くないですが、個人的にこれはかなりおすすめです。他の教科書では載っていないこともある「複素速度ポテンシャル」や、ナビエストークス方程式の詳しい具体例まで、東工大の大学院入試に必要な知識は揃っています。
私もこの教科書とYouTubeで基礎固めを行いました。
問題演習
問題演習は、「機械系大学院への四力問題精選」か「JSMEシリーズ」の演習がおすすめです。私は四力精選を使っていました。
基本的には、四力精選と過去問演習をやって演習量に不安があったり時間に余裕があったりすれば、JSMEの演習シリーズなどに手を出す、といったイメージです。念のため他の問題集も紹介しますが、あくまで+αだと思ってください。
〇機械系大学院への四力・制御問題精選[青木隆平]/培風館
題名の通り、機械系大学院への問題演習といえばコレ!各分野ごとに数問あり、すべて実際の大学院入試を参考に作られていたり、過去問であったりするので対策にはうってつけです。
実際に私も使っていました。ただ、たまに誤植があるところもありますので注意してください。ネットに誤植リストのようなものもあります。
四力だけでなく、制御工学の問題も載っているので制御工学が試験範囲にある大学院を受験される方方にもおすすめです。
〇各種JSMEテキストシリーズ 演習
基礎固め、四力精選、過去問演習を一通りこなして、不安なところをカバーしましょう。四力それぞれに演習テキストがあります。
〇マセマ 演習熱力学[高杉豊,馬場敬之]
マセマの熱力学は演習版も評判がいいので紹介します。時間に余裕があり、そのうえで熱力学に不安があればやってみるといいと思います!
過去問演習
過去問は直近5年~10年を2周以上できるといいです。できればもっとしたいですね。
合格点は大体6割程度と推定されていますが、あくまで推定ですし、平均点によっても変動します。本番は緊張の中、完全に初見の問題を解きますので、練習では8割~満点を目指してやるのが無難です。
問題数年分だけならネットにも載っていますが、解答はありませんし量も少ないです。特に外部受験の方は入手が難しいので以下に入手方法の例をまとめました。
・研究室訪問で先輩に頂く
・メルカリで購入する
・SNSや知人などで東工大を受ける人や先輩を探し頂く
・友達などと協力して自作する
過去問解答は学部受験の時と違い、情報が少ないです。必ずしも解答が合っているとは限らないので、できれば2人以上から入手できると安心です。私は研究室訪問とメルカリで2つほど入手しました。
詳しくはこちら👇
※私が自作したノートと過去問解答、志望理由書、体験記などをメルカリで出品予定です。ぜひご利用ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、東工大工学院機械系(東京科学大学の理工学系工学院機械系)の大学院入試におすすめの参考書・問題集を紹介しました。
最後に簡単にまとめて終わろうと思います。
東工大機械系の筆記試験は四力が試験範囲です。対策の流れは、
- 過去問から出題傾向の把握
- 基礎固め
- 問題演習
- 過去問演習
基礎固めで各科目1,2冊の参考書を一通り読んだら、問題演習と過去問演習です。基礎固めでは、基本的には学部の授業で使ったものでいいですが、振動学と熱力学はJSMEテキストシリーズがおすすめです。問題演習はまずは四力精選を使うといいでしょう。
その後、過去問を進めていくうえで不安なところは、+αの教科書・問題集を検討していきます。
過去問は、研究室訪問やメルカリでの入手がおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
この記事がすこしでも役に立ったら嬉しいです!みなさんが合格できるのを祈っています!
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※こちらの記事は2024/10時点での記事です。入試の傾向や試験形式は変更する可能性もあります。また、東工大は東京医科歯科大学と合併して東京科学大学になる予定です。情報が変わる可能性が高いのでご注意ください。
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