会議でのファシリテーション、マネジメント、インタビューなどにおいて、相手の本音を引き出すことは非常に重要です。しかし、相手が本当に何を必要としているかを知るのは簡単なことではありません。
そこで、メタファシリテーションという手法が有効になります。今回は『途上国の人々との話し方』を参考に、メタファシリテーションの極意についてお話しします。(参考文献*1)
国際協力などの現地視察にも使われる有効な手段です。
メタファシリテーションとは?
メタファシリテーションは、相手に自分自身で問題に気づかせ、その解決策を見出してもらうための対話手法です。単なる質問ではなく、相手が自分の課題を明確に認識し、解決に向けて主体的に行動することを促す技術です。
つまり、
メタ認知 + ファシリテーション
ということです。
ファシリテーション自体のコツに関しての詳しい記事はこちら👇
なぜメタファシリテーションが必要なのか
マネジメントにしろ、支援活動のリサーチにしろ、こちらが「与える側」で相手を「受け取る側」と無意識のうちに思って対応することで、相手が自分で考えることなくこちらの「与えるもの」を享受するだけになってしまうことがあります。
重要なのは、現状、理想、課題点を一緒に認識し、そのために何が必要なのかを一緒に考え、結果的に必要なことを手助けするという課程です。それを可能にするのがメタファシリテーションです。
具体的な手順
メタファシリテーションの5ステップ
具体的にどのようにすればメタファシリテーションができるのでしょうか。具体的に説明していきます。ステップで表すと、
- 事実質問:関係形成・自尊感情
- 今どんな状態か
- 誰が、どのように困っているのか
- 相手自身にできることは
- 外部に頼んだ方がよいものは
の5ステップです。
ここで、最も重要なのは、「事実質問」です。①での質問力でつまずくと、他でどれだけ頑張っても水の泡になるかもしれません💦。
事実質問って?質問力の上げ方!
では実際に事実質問とは何か、どのようにやるのかを解説していきます。
ここでの質問力は世間一般で言われるものとはやや異なるかもしれません。あくまでマネジメントやメタファシリテーションの時に使うと良い質問としてとらえてください💦。
事実試問とは、「実体験に基づくこと」「事実を聞く質問」のことです。もともと抽象的で難しい質問を、そのまま聞くのではなく、事実質問にかみ砕いて段階を踏んで議論を進めていく。これが事実質問のコツです。
「何か困っていることはないか?」「○○はうまくできているか」などの抽象度の高い質問では、ついつい「大丈夫」と答えてしまいがちです。
そんな時に、現状を具体的に答えられる質問をすると、より本質的な課題が見えてきます。
例えば、「昨日何をしたか」「ある仕事をどう行ったか」など、その人個人が実際に行ったことを聞くなどすると具体的な答えが返ってきます。そこから一緒に課題を考えていきましょう。
中には事実を答えているうちに、自分の現状を言語化することで自分自身で課題を発見する人もいます。
事実質問についてはこちらの記事でも取り上げているのでぜひ参考にしてください。
メタファシリテーションの極意
メタファシリテーションの極意は、この質問力を極めることにあります。
そうして自身で気づいた課題に対して一緒に解決策を模索していきましょう。
ただ、「助けてあげる」「支援してあげる」ではなく、その相手との関係性を意識し、ただ人と人との関係性を大事にしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。最後に簡単に内容をまとめて終わりたいと思います。
メタファシリテーションとは、「メタ認知とファシリテーション」の合わせ技。事実質問により、自分自身で課題を見つけてもらい、一緒に解決策を考えます。それに必要なことを手助けすればよいのです。
コーチングなどに似ているかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
参考文献
*1・・・「途上国の人々との話し方: 国際協力メタファシリテーションの手法」/和田 信明 (著), 中田 豊一 (著)/みずのわ出版/2010.10.25発行
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